アンガーマネジメントという言葉をご存知ですか?直訳すると「怒りの感情を管理する」となります。アメリカで誕生した心理プログラムで、多くの会社で心理教育として取り入れられています。

育児の場面では、特に子どもと会話が成り立ってくるあたりから、叱らなければいけないことが増えてきます。この時、感情的に怒ってしまうと逆効果。子どもは親が怒っているというその事だけを恐怖し、叱られている内容が理解できません。

わかってはいるけれど、「怒る」と「叱る」を切り離して行うことができない、そう悩んでいるママ・パパはたくさんいますよね。

そのような時に役立つのが、怒り管理講座としても人気なアンガーマネジメント。

怒りをコントロールする訓練をすると、育児の悩みだけでなく家事・仕事のイライラを軽くすることができるようになります。怒りすぎて自己嫌悪になっている自分を心のレッスンで、穏やかで優しい心を取り戻してくださいね。

まずは一呼吸

一昔前の親は子どもを怒鳴って育ててきた印象がありますが、近年の育児は「褒めて育てる」が主流となっています。これは親なら誰しもが意識して行っていることだと思います。お手伝いができた、お友達に優しくできた、絵が上手に描けた、そういった褒める場面はたくさんあり、褒める、褒められる行為は親も子どもも気持ちがいいのでたくさんできます。

問題は、「叱る」場面です。

子どもを叱らなければいけない状況というのは、親が怒りを感じやすい状況ですので、つい感情的になってしまいます。感情的に怒ってしまう、怒鳴ってしまう場面というのを思い出してみてください。カチンとくる言葉を言われた、子どもが言われたことをすぐにやらない、そういった突発的なシーンでマグマが押し上げられるように怒りが込み上げてきますよね。

この、怒りの感情が込み上げるピークの時間は6秒間と言われています。

反射的に怒ってしまうという行為は、ほとんどがこの6秒間のうちに行われているそう。つまり、この6秒をやり過ごせば、怒りを鎮火させて冷静になり、子どもを怒鳴る→怯える→叱られている内容が頭に入ってこない、という下手な叱り方をしなくて済むのです。

上手に叱るためには、まずは一呼吸して、自分の気持ちが冷静になるのを待ちましょう。では、具体的にはどのようにして怒りの感情をコントロールすればよいのでしょうか。

気持ちを落ち着かせて怒りをコントロールする方法

深呼吸をする

とっさにできる方法は、腹式呼吸です。

怒りを感じたら、まずは深く呼吸を吸い、ゆっくりと吐き出します。人は興奮したり緊張したりすると息が浅くなり、リラックスしているときは呼吸が深く、ゆったりとしています。これは逆からのアプローチも可能です。

深呼吸をして気持ちが晴れやかになった経験がありませんか?呼吸をゆっくり、大きくすることで、緊張や興奮が解けてリラックスできるようになります。冷静になれると感情的に怒鳴らずに済み、子どもを怒らずに「叱る」ことだけできるようになります。

その場を離れる

怒りが押し寄せてきて爆発しそうになったら、その前に怒りの原因から少し距離を置きましょう

例えば、子どもがいつまでも片付けをしないとか、集中して食事をしないとか、わがままばかり言ってこちらの注意を受け入れないという場面は、毎日のようにありますよね。つい怒鳴って言うことを聞かせたくなりますが、そしてその方が話が早い場合もあるのですが、そこはグッと堪えて、隣の部屋で10秒数えてみましょう。

そして冷静になってから、子どもの目を見て、改めて「今あなたにこうしてほしい」ということを伝えます。子どもも、無理矢理やらされたと感じるよりも、自分が承諾してやったと納得して行動した方が不満が溜まりにくいですし、自己肯定感にもつながります。

試練だと思う

怒りの感情というのは、ものすごいエネルギーを持っています。怒りが原動力になって結果を出したという逸話は多くありますよね。本来負の感情である「怒り」を、ただ爆発させたり抑えるだけでなく次の行動へのエネルギーに変えることができれば、これほど建設的なことはありません。

アンガーマネジメントテクニックでは「ポジティブ・セルフトーク」というそうで、気持ちを前向きにする自己暗示のフレーズをあらかじめ決めておいて、それを唱えて自分を鼓舞するというもの。

子どもが何度言っても言うことを聞かないと、自分がないがしろにされた気持ちになって怒りを覚えますね。そういったときは、自分が前向きになれるフレーズを強い気持ちで唱えて「怒り」を「次の行動の原動力」に変化させます。

「じゃあどうしたら子どもは私(親)の言うことを真剣に受け入れてくれるか」「どうしたら私(親)が子どものためを考えて言っているとわかってもらえるか」といったことを検討するなどの、次の行動を支えるエネルギーになればしめたもの。目の前の怒りの原因を、自分が成長するための一つの試練と捉えると、物事をポジティブに捉えやすくなります。

「叱ること」を決める

人が怒りを覚える状況というのは、「~するべき」と考えていることから外れてしまうとき、人に不当に扱われたと思うとき、行動の結果が思い通りに行かなかったとき、などです。

つまり、子育てにまじめに取り組み過ぎて、こうあるべき、と考えがちな人ほど怒りに囚われがちということになります。

子どもに健やかに育ってほしいから育児に真剣に取り組んでいるのに、それが怒りの原因になってしまうなんて悲しいですよね。感情的に怒っているときというのはある意味正気ではありませんから、叱らなくていいことも叱る対象として見てしまいます。

例えば、「叱ること」は、自分や他人を危険にさらす行為のみ。あとは、その都度注意するだけに留める、といったように、前もって「叱ること」を決めておくと、気持ちが楽になります。

怒りを感じたらまずは冷静になること、それから「叱る」と決めておいたことだけきちんと叱るようにすると、自分も子どもも嫌な思いをせずに「叱り」「叱られる」ことができるようになりますよ。

関連書籍

アンガーマネジメントの全体像がわかります。ただ、図解はほとんどありません。

怒りが湧いた時の対処方法、具体例をイラスト形式でわかりやすく紹介されています。

性格の特徴・怒り方の癖・改善トレーニング方法・上手な付き合い方を具体的に知ることができます。

関連講座

時間の取れる方は、日本アンガーマネジメント協会が主催する講座を受講されてみてください。

https://www.angermanagement.co.jp/seminar