子どもがなりやすい病気のなかに、「アデノイド」という疾患があるのを知っていますか?もしアデノイドになると、それとは別の症状を併発してしまうこともあるようです。今回はアデノイドとはどんな病気なのかについてまとめてみました。

「アデノイド」ってどのような病気なの?

そもそもアデノイドとは、ちょうど鼻の一番奥にある「咽頭扁桃(いんとうへんとう)」というリンパ組織のかたまりのことを指します。そしてこのアデノイドが極端に大きくなってしまい鼻や耳などにさまざまな症状が現れる病気です。この病気のことを「アデノイド肥大」や「アデノイド増殖症」、あるいは単純に「アデノイド」と呼ぶことがあります。

通常ですと2~5歳ぐらいがもっともアデノイドが大きく、そのピークを過ぎるとだんだんと縮小していきます。これは子どもの骨格や筋肉がまだ十分に発達していないので、のどの大きさに対するアデノイドの占める割合が大きいためです。

実はアデノイド肥大になってしまう明確な原因は分かっていないのですが、先天的に何らかの原因を持っているため発症するという考えがあるようです。

またアデノイドはリンパ系の組織ですので、風邪をひいたときなどにアデノイドの肥大化が見られることもあります。

アデノイドの症状や合併症について

それではアデノイドになると、具体的にどのような症状や合併症が引き起こされるのでしょうか。まずはアデノイドの症状としては、以下のものがあります。

  • 鼻づまり
  • 鼻声
  • いびき(基本的に子どもはいびきをかきません)
  • 口呼吸
  • 集中力の低下
  • 睡眠時無呼吸症候群(睡眠の間に一時的に呼吸が止まる症状)

アデノイドが大きくなるということは鼻の通り道が狭くなるので、それに伴ってさまざまな症状が出てしまうのですね。

特に無呼吸症候群は、質の良い深い眠りができていないということですので、睡眠中の成長ホルモンの分泌に悪影響を及ぼし、子どもの発達や成長を阻害してしまう可能性もあります。

またこれ以外にも、乳児の場合は鼻呼吸が上手にできないと母乳やミルクを吸うときに呼吸困難に陥ってしまい、十分にミルクが飲めず栄養障害を招くこともあります。

では次に、アデノイド肥大が長期間にわたって続いた場合に引き起こされる合併症について覚えておきましょう。

  • 集中力の低下などによる学習障害
  • 無呼吸症候群によって血液中の酸素濃度が低下し、脳にダメージを与える
  • 心不全や肺高血圧症といった心臓への負担
  • 慢性副鼻腔炎(蓄膿症)
  • 漏斗胸、鳩胸などの胸郭の変形
  • アデノイド顔貌(顎が小さく舌を突き出したような顔つき)
  • 中耳炎の一種である滲出性中耳炎(しんしゅつせいちゅうじえん)
  • 軽度の難聴

アデノイドになるだけで、これほど多くの合併症を招いてしまうリスクがあるのです。

アデノイドの治療方法

もし子どもがアデノイド肥大を発症してしまった場合には、どのような治療方法があるのでしょうか。

まず子どもに何らかの症状が出たら、まずはアデノイドの状態を確認するために病院で検査を行います。具体的には顔の横からエックス線撮影をしてアデノイドの大きさの程度を見ます。鼻からファイバースコープを入れて検査する方法もありますが、子どもにとっては恐怖感や多少の痛みを与えるものなのであまり行われていないようです。

そういった検査を経て医師と共に治療方法を決定するのですが、大きく分けて以下のような2つの方法があります

薬の服用、点鼻薬

風邪などの原因によって、アデノイドが一時的に増殖しているときには、薬の服用や点鼻薬によってアデノイドの炎症を緩和させることができます。

また特に気になる症状や合併症がなく、アデノイドの肥大自体もそれほど重くない場合は経過観察で十分なケースもあります。

切除手術

風邪による急性の炎症ではなく、それ以外の原因の場合は薬の効果はほとんどあません。そして睡眠時無呼吸症候群や学習障害といった合併症が生じている場合はアデノイドを切除する手術を行います。

切除手術は全身麻酔によって行われます。特殊な器具を口から挿入し、アデノイドの部分を切り落とします。手術自体は0~20分程度で終わる比較的簡単なものですが、もちろん出血がありますし全身麻酔ですので副作用が出ることもあります。ですから数日間は入院をする必要があり、退院してからもしばらくは入浴や運動を控えて絶対に安静にしなければなりません。

手術によってそれまで現れていた症状は改善しますが、口呼吸などは癖で無意識にやってしまうことがあるので、術後は意識的に鼻呼吸をするようにしましょう。

子どもの異変に早く気付こう!

子どもが重大な合併症にかかってしまう前に、いち早く子どもの「気になる部分」に気づき、行動に移すことが非常に大切です。

いつも口が開いていたり、夜に激しいいびきをかいていたり、何か変だなと思う症状が2つ以上ある場合は医師の診断を受けた方が良いでしょう。

症状が軽度であれば対症療法などによって経過観察で済むこともありますので、手術による子どもへの負担を避けることができます。

アデノイドによってせっかくの子どもの発達を邪魔させないために、日頃からしっかりと子どもを観察することを心がけたいものですね。